2022年09月一覧

令和4年9月号目次

■巻頭言■ 史眼に映ずる現下の混迷(四) = 完― 先人の徳を明らかにすること ―/平泉 澄 ■今月の課題  安倍元首相の国葬を暴挙への怒りの場に/宮地 忍 ■日露戦役と斃馬追弔塔/仲田昭一■平泉澄博士の『革命論』について/濱田浩一郎

巻頭言

日本は今ピンチの真只中だ。一寸やそつとではない。元首相が、白昼衆人の面前で狙撃され殺戮されても、誰も責を負はない。それで国葬だと言ふ。それほどの政治家を軽く扱つてよいのか。身辺警護はたるみ、治安は維持されてゐない。文明国なのか。

 平泉澄博士の『革命論』について

平泉澄博士には『革命論』(文部省、一九三四年)の著作がある。文部省(学生部)が発行する「思想問題小輯の六」として刊行されたものであるが、私の手元にあるその小冊子(四十頁)の見開きには昭和九年三月として「本小輯は思想問題に関し、教育関係者の参考に資することを目的として編輯したものである。

 松陰先生の授業『武教全書講録』を読む(七)

この章では、「倹吝(けんりん)の弁(べん)」(倹約(けんやく)と吝嗇(りんしょく)の相違)を知ってほしいと、吉田松陰先生は言われます。 まず、世間では、倹約の一段強いのが吝嗇(りんしょく)と考えているようだが、倹約と吝嗇とは明らかに異なる二つのものとして、その違いを次のように説明されます。