雑誌『日本』一覧

巻頭言

先月号の解説に記したが、一九七〇年代、私は京大東南アジア研究センターの同僚と共に、東南アジア各国の農村・山村・都市を歩き、彼等の生活と心情にふれる努力を重ねた。驚きの一つは、タイ・ミャンマー・ベトナムなどの名もなき民が我々に語る事に、私が子供の時に祖父母から聞いた昔話や教訓の面影があつたことである。多くは仏教に関係があつた。

「高氏」標記と平泉博士の「歴史哲学」

昭和七年十二月、「楠木正成の功績」と題し天皇陛下に御進講をなされた平泉澄博士は、昭和八年二月に増刷された『闇斎先生と日本精神』(第六版)に、御進講と深く関係したものと見られる「楠公と日本精神」を掲げ、『中世に於ける精神生活』(大正十五年)から『国史学の骨髄』(昭和七年)までのご著書に見られた足利「尊氏」標記を、「高氏」へと改められました。

相手の立場で考える日本人

これまで日本での研修の機会を二回いただき、四国の香川県と東京の杉並区で生活をしたことがあります。その中で、いくつも感心することがありました。 一つ目は、日本の保険制度です。外国人の私たちも国民健康保険に加入することができ、病院での診察を安く受けられるので安心でした。…

巻頭言

引用の文は、昭和四十三年四月、平泉澄先生が御著の序に認められたものである。同書の構想は、昭和三十年初め以降、大阪府茨木市の青々塾にあつて先生の学問を青年学徒に伝へる努力をしてゐた私が、先生の著書論文の入手難に困惑し、戦中戦後に愛読した先生の論著や講義講演の速記録を整理謄写して教本を作成せんと欲したことに発した。。

 日本の青少年たちへ ― 自分史を書いてみませんか

ある年齢になったら自分史を書いてみる。大変に貴重なことだと私は考えます。 文章というのは不思議なものです。それまでの人生の過程で直面したさまざまな経験について、あれやこれや思いめぐらせてもその像はぼんやりしたものでしかないのですが、これを思い切って文章化してみますと、その文章の背後から連想が次々と浮かんでは再現され、書きだす前には想像もできなかったようなストーリーができあがってきます。

日本海海戦の歴史的意義

皆さんは、五月二十七日は海軍記念日だったのを知ってますか。この日は、日露戦争(正式名称:明治三十七・八年戦役)の日本海海戦が始まった日です。因(ちな)みに、奉天会戦が終わった三月十日が陸軍記念日です。…

巻頭言

引用の文は、昭和四十三年四月、平泉澄先生が御著の序に認められたものである。同書の構想は、昭和三十年初め以降、大阪府茨木市の青々塾にあつて先生の学問を青年学徒に伝へる努力をしてゐた私が、先生の著書論文の入手難に困惑し、戦中戦後に愛読した先生の論著や講義講演の速記録を整理謄写して教本を作成せんと欲したことに発した。。

東アジアの文明と日本

「世界四大文明」という括り方は恣意的に創作されたものです。エジプト、メソポタミア、インダス、黄河文明の四つが「四大」などと誰が決めたのでしょうか。それを決めたのは中国の思想家の梁啓超です。

先人たちが学んだ日本の歴史(二)

皆さんは社会科、とくに公民科目で日本国憲法について学ばれると思います。憲法が天皇陛下をどのように説明しているか見てみますと、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。とあります。…

巻頭言

三月十日は,元の陸軍記念日であり、日露戦争の勝利を回顧する日である。陸戦の帰趨は旅順陥落で決し、直後に水師営での会見が行はれた。 二月八日夕刊が、米国の元大統領顧問や国務長官ジョージ・シュルツ博士の死去を伝へた。