
巻頭言
二十世紀の世界政治劇は、日露戦争で明けたが、敗れたロマノフ王朝はロシア革命で滅亡し、成立した共産主義政権ソ連も七十四年後に崩壊し、中東欧も離脱して、今やソ連圏は完全に消滅、一ロシア共和国を残すのみとなつた。
二十世紀の世界政治劇は、日露戦争で明けたが、敗れたロマノフ王朝はロシア革命で滅亡し、成立した共産主義政権ソ連も七十四年後に崩壊し、中東欧も離脱して、今やソ連圏は完全に消滅、一ロシア共和国を残すのみとなつた。
これからしばらくの間、江戸時代に書かれた文章の中から、私共の魂を鍛へ育てるために是非読んでおきたい文章を選んで、ご一緒に勉強して行きたいと思ひます。少しづつ読んで行きますので、よろしくお付き合ひの程お願ひいたします。
国の歴史は、その国に生きた、また、生きる人々が紡(つむ)ぎ出す一すじの糸にたとえられます。その糸をよくみれば、絹糸のような美しくなめらかなところがあり、また、麻糸のように少しざらざらで、硬い手触りのところもあります。…
四年前の今月の巻頭言は、トランプ氏が米大統領に選出されて、米国の内政外交が自国優先に激変した時書いた。多くの読者は、“アメリカ、ファースト”と顔をゆがめて叫んだ彼を覚えてゐよう。私はそこに古きモンロー主義の影を見て、その矛盾を論じた。
平泉博士の著作と言へば僅かに『日本の悲劇と理想』(原書房)くらゐしか読んでゐなかつた私にとつて、ある人が蔵書の中から贈つてくれた『山河あり』(立花書房)との出会ひはまことに感動的でした。
七十九年前の昭和十六年(一九四一)十二月八日は、南雲忠一(なぐもちゅういち)提督指揮する機動部隊(空母六隻基幹)がハワイ・オアフ島の真珠湾を奇襲攻撃した日、すなわち大東亜戦争の始まった日です。…
十一月三日は、子供の頃「明治節」であつた。明治は、遠い祖父達の時代と見えてゐたが、いま九十五歳の老翁になつて回顧すると、ついこの間のやうに感じる。なにしろ、明治はたつた四十五年、我が人生の半分にもならない。
昭和四十五年(一九七〇)十一月二十五日、三島由紀夫氏が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げて日本中を震撼させた、いはゆる三島事件から半世紀が経過した。
「修身」の教科書に、明治の軍人乃木希典(まれすけ)大将が清廉な人物として紹介されています。…
今月は、九月号巻頭言、ポンペオ米国務長官の対中挑戦状の紹介の補論である。冷戦の始終は、北鮮の南侵とベルリンの壁の打ち壊しで世界周知だが、その前史、途中経過、幕引、後の波紋も含め、後者への戒めになる。紹介した挿話は、途中の左翼学者、言論人の“昏迷”の一端を示す。