雑誌『日本』一覧

巻頭言

幸ひ我が国では、コロナ禍の被害は急速にしぼんでゐるが、最近、シンガポール大の学部長からのメールによると、同国ではコロナ禍の再拡大が激しく、息子の結婚式もできないといふ。この調子だと、世界の病害は嘗てのペスト同様、大戦争並の被害を与えるやも知れぬ。

 『三續父祖の足跡』に見る承久の変

今年は承久の変(承久三年=一二二一)より八百年である。読売新聞では、毎週火曜日夕刊の「日本史アップデート」の四月九日号(渡辺嘉久氏執筆)で、承久の変(新聞では「承久の乱」)を取り上げ、「従来説」を、 鎌倉幕府三代将軍実朝暗殺を機に、執権北条義時追討の院宣を発した。事実上の討幕を目指すものだった。 とし、「最新説」を......

 古典の日

「古典の日」は、平成二十年(二〇〇八)に『源氏物語(げんじものがたり)』成立千年を記念して行われた「源氏物語千年紀記念式典」で宣言され、同二十四年に国の定める記念日となりました。古典の価値を再確認し、その素晴らしさを伝えて行くことを目的とした記念日です。

巻頭言

本誌の昨年十二月号に、同趣旨を、私はソニーの創業奢の一人、井深大会長の名著などを引用して述べた。再読を望むが、私が井深さんにお目にかゝつたのは、文部省の中央教育審議会の席で、五十年以上前、私も四十代前半であつた。

後鳥羽天皇を奉祀する

今からおよそ八百年以前、鎌倉時代の初期、後鳥羽天皇が離宮を造営され、淀川に近い水無瀬(みなせ)の里に水無瀬殿を設けて、しばしば来遊された。当時は「水無瀬御所」とか「広瀬御所」とよばれていた。

 万葉集古義に学ぶ(四)

皇者(おおきみは)。神二四座者(かみにしませば)。天雲之(あまくもの)。雷之上尓(いかずちのへに)。廬為流鴨(いおりせるかも)。 (大君は 神にしませば 天雲の 雷の上に 廬りせるかも) いきなり、問題です。この歌は誰が作つた歌だと思ひ(い)ますか。

巻頭言

明治日本の躍進は、江戸末期の日本の社会経済が、人材でも制度でも、知的能力でも、工業技術以外では、西洋諸国とならぶか、それ以上だつたからである。例へば識字率は、英仏の倍くらいだつた。だから鉄道でも、東京と横浜の建設を見れば、すぐ自力で大津から京都への線路を建設できた。

『海軍少佐黒木博司遺文集』に学ぶ

未曽有の「大東亜戦争」が敗戦という形で終結してから七十五年の昨年、我が国は「コロナ禍」のパンデミック(世界的感染流行)という新たな戦争に直面して、官民ともに右往左往、戦後の利己的・無責任な在り方に深刻な反省を迫られている。

巻頭言

嗚呼(ああ)、あの昭和二十年八月十五日より、星霜流れて七十六年。日本は今、戦後二度目の東京オリンピック競技大会を、コロナ猖獗(しょうけつ)の只中に開催して全世界の注目を浴びてゐる。この間、世界情勢は一変、二変、三変した。