オイスカ研修生の見た日本ーさらに魅力ある日本に

シスカ・アケミ・リナワンティ/インドネシア

私が見た日本はとても平和な国です。宗教的な背景から来る衝突などがなく、みんながお互いに尊重しあえるのは、素晴らしいことだと思います。日本で生活していて一番印象的なことは、やはり安全だということです。落とし物や忘れ物がなくなることはほとんどなく、見つけた人が交番やその場所のスタッフなどに届けてくれ、持ち主の元に戻ってきます。イスラム教徒である私はお酒を飲みませんが、日本では神様にもお酒をお供えしていますし、皆さん好んでお酒を飲んでいるように見受けられます。女性が外でお酒を飲む機会も多いですし、その後、夜遅い時間に一人で歩いて帰宅しているのも特別なことではなく、本当に安心・安全な国だと思います。

また、お店やレストランなどに入る時、店員さんが笑顔と大きな声で「いらっしゃいませ」と迎えてくれ、店を出る時にも「ありがとうございます」と見送ってくれ、丁寧に接してもらっている気分になります。このようなことは私の母国、インドネシアや他の国では見たことがありません。日本人にとっては当たり前のことかもしれませんが、こうした社会であることにもっと誇りを持ち、もっとアピールしたらいいのではないかと思います。

近年、そんな日本に魅力を感じ、旅行で訪れる外国人が増えてきています。私の友人の何人かも旅行で日本に来て、生活が便利で楽しい、食べ物が美味しいといった理由で日本に住みたいと言っています。実際、帰国してからもその気持ちを持ち続け、留学や仕事の関係で日本を再訪している人もいます。もちろん短期間の旅行と、長期間におよぶ滞在の中で体験する日本での生活は違いますから、イメージ通りの生活だと言う人もいれば、考えていたより大変だと言う人もいます。

今、日本はこうした外国人を多く受け入れていますし、特に今年はラグビーワールドカップが、そして二〇二〇年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されますので、今まで以上に外国人を歓迎しているように感じます。

ただ、違う文化圏から、さまざまな目的で来た外国人は、必ずしも日本人が求めるような振る舞いをする人ばかりではありません。そうした外国人を目にし、マイナスの印象を持つ日本人もいることでしょう。逆に自ら望んで来たにもかかわらず、日本の規律面での厳しさや自国にはない習慣になかなか慣れず、日本にマイナスの印象を抱いてしまう外国人も少なくはありません。

私自身は日本に限らず、どこの国に住んだとしても、その国や地域の習慣や言葉を知り、自分自身が馴染(なじ)もうと努めることが当たり前だと思っていますが、それがなかなかできない人もいると思います。

もちろん、「日本が大好きだから」という理由で、直面している苦労を乗り越えて頑張っている外国人もたくさんいますが、日本語がよく分からずに苦労している外国人の中には、一方的に疎外感を抱き、日本人が外国人を差別していると感じる人が多いのも事実なのです。

外国人に心を開いて接してほしい

これから、労働者の受け入れなどに関する法律が変わっていく中で、日本にはますます外国人が増えていきます。これまで外国人と直接接することのなかった人たちや、マイナスイメージを持ち、敬遠していた人たちも外国人と付き合っていかなければならなくなるでしょう。英語をはじめとする外国語を話せる日本人が増えることで、言葉や文化の違いで苦労する外国人が減るかもしれません。

でも、そうした特別なスキルを持った一部の人たちだけではなく、全ての日本人が、外国人に対して身構えたり、特別なイメージを持って接するのではなく、日本人がお互いに尊重し合っているのと同じように、心を開いて接してほしいです。

外国に行ったことがある人は、不安に感じたり戸惑ったりした経験があると思います。それと同じ立場にある外国人の気持ちに寄り添って、心を開いてもらえたら、外国人にとって日本はもっと魅力ある国になるのではないでしょうか。