少年少女のために ― 皇室 ― 世界が賞賛する皇室

三荻 祥 /皇室ジャーナリスト

昨年十月二十二日に執り行われた即位礼正殿の儀に 参列した外国元首らの感想が、四月三日に首相官邸の ホームページに掲載されました。そこには八十五カ国 (参列は百九十一の国と機関)の代表者の感想が紹介さ れており、外国元首らが我が国に対し、また皇室に対 してどのような理解をしているのかが、よく伝わって きます。その中のいくつかを見てみましょう。

「高御座(たかみくら)の高さと装飾のそれぞれは、日本の古代の文 化と歴史を感じさせる。何世紀にもわたってこの遺産 をそのまま保存してきた日本の皇室に対する賞賛と敬 意を身をもって体験した」(カザフスタン)。「静寂に包まれる中で執り行われた正殿の儀の荘厳さには大変感 銘を受けた。世界の王室・皇室の中でも、あのような 厳粛かつ特別な雰囲気の式典が執り行われるのは日本 の皇室のみではないか」(ポルトガル)。

このように、伝統ある日本の皇位継承という歴史的に意義深い行事に参列できた喜びを記したものがたくさんありました。我が国の皇室は、歴史の古さゆえに 世界からも一目置かれていることがよくわかります。

また、「即位の礼は、日本や日本国民にとって重要で あったのみならず、国際的にも不和をもたらす様々な 挑戦や危機がますます増えている中で、あの日、世界 中の国家元首や政府高官が東京で一堂に会して、天皇 陛下のお側で、新たな令和の時代をお祝いしたという ことは、大変重要な事であったと感じる」(ルーマニア)。 「二〇〇近い国や機関等から王族、大統領、首相等が一 堂に会する儀式は圧巻」(パキスタン)など、世界中の 代表者が皇居に集まったことを賞賛する声が多く見受 けられました。外務省のデータによると、現在日本が 承認している国の数は百九十五か国です。それを見れば、世界中のほとんどの国の代表者が新天皇の即位を お祝いする行事に駆けつけたことがわかります。

また印象深かったのは、「今回の即位の礼の公式行事 は秒単位でアレンジされており、その通りに行事が進んだことに驚いた」(モザンビーク)、「驚いたのは日本 の行事運営である。あれだけの規模の行事において、 全てが正確で綿密に計画されていた」(バルバドス)な ど、全てが時間通りに進められる日本の運営の姿への 驚きでした。

それは大規模な式典を滞りなく行ったというだけで なく、ホテル出発から皇居到着までの時間が事前に受 け取ったスケジュール通りであったことや、皇居に到 着する代表者のハイヤーが入り口で渋滞することもなく、数秒間隔できちんと車寄せに到着する様子などに 対して寄せられた言葉でした。中には「大統領に報告 した上で、『職員を日本に派遣して儀典の研修を受けさ せるべきだ』と勧告したい」(ジンバブエ)とする感想 もあったほどです。

◆国際親善に御心を尽くされる

皇位継承者として初めて外国への留学を行われた天 皇陛下と、幼少期から長期に亘 わた る外国生活をご経験な さっている皇后陛下が重要視されていることの一つが 国際親善です。英語がご堪能なのは言うまでもありま せんが、同時に各国に対する深い造詣をお持ちでい らっしゃいます。そのことがよくわかる感想もありました。

「天皇皇后両陛下とご挨拶し、握手を交わした際に、 ギニアの独立時についてのお言葉を述べられ、通常で あれば次々と握手して終わるものの、ギニアに心を留めてくださるというお心遣いに感銘した」(ギニア)。 「天皇陛下からは、上皇陛下が皇太子時代にセネガルを 御訪問になったことをお聞きした」(セネガル)。「自分 が、タンザニアから来たと自己紹介すると、両陛下は ンゴロンゴロ自然保護区のことを話題にされ、大変感 銘を受けた」(タンザニア)

繰り返しますが、当日は百九十一の国と機関からの 代表者が駆け付けていました。饗宴の儀の際に両陛下 は代表者を一人一人出迎えられ、またお見送りをされ ましたが、それぞれと言葉を交わす時間はそう多くは ありません。も関わらず、握手した人の国と皇室と の関係や、その国の事情等について咄 とっ 嗟 さ に話題にされるご姿勢からは、世界中の一つ一つの国を大切に思い、 その国々にご関心を持ち、心を寄せられる両陛下の深い御心を感じずにはおれません。

世界中の代表者からの祝意に包まれて始まった令和 の御 み 代 よ 。国際親善に御心を尽くされる両陛下のご姿勢 によって、我が国の皇室の存在意義は益々高まっていくことを思わずにはいられません。