巻頭言

七月号巻頭言「憲法改正の壁を破れ」解説

市村真一/ 京都大学名誉教授

今月号には、多年、改憲問題を解説してきた民間憲法臨調法曹関係者懇談会の『憲法問題メール情報』の六月一日付第四五八号が掲載されてゐる。一見されたい。自民党と維新の会の幹部は良いのだが、他の野党の責任者・関係者の意見や情勢判断は、露のウクライナ侵攻と中国の台湾威嚇(いかく)以後の世界情勢と日本の世論の急変を見てゐない。露は内紛中だ。NATOは反露に一致した如くに見える。日本世論も、私には西欧並みと思へる。露人も半分は夜も眠れぬのでないか。

ソ連の全盛時代、ソ連アカデミーに招かれて、キーウに数日滞在した事がある。夜の料亭で露人の上客は不人気で、地元住民の露人への反発心には驚いた。案内役のノソフ研究員に「現地人は随分露人嫌いだが、君ら安全かい」と訊いたら、「大した事はないが、口喧嘩は絶えない」との返事に驚いた。露系の異人種は百を超えると言ふ。戦中、日本人捕虜はウクライナ人に評判が良かつた。教へ子にウクライナ人あり、富山大准教授だ。ウクライナに幸あれ。