『日本』令和8年10月号

   オイスカ研修生の見た日本
  おいしいイチゴ栽培をインドネシアへ

      クララ・コニー・フランシス・シタンガン(愛称 コニー)/インドネシア

私はコニーと申します。今年の二月にインドネシアからまいりました。今は福岡県にあるオイスカ西日本研修センターで、農業の研修をしています。センターがあるのは福岡市内ではありますが、山に囲まれた地域で自然がたくさんある場所です。

実は、私の父も母も若い頃、日本で学んだ経験があり、私にも将来のために日本で研修することを勧めてくれました。でも、正直なことをお話すると、私は人の役に立つ仕事をしたいと思い、友達と一緒に看護師を目指して勉強をするつもりでいたので、はじめは日 本に来るつもりはありませんでした。進学を目指して、友達と一緒に試験を受けたのですが、残念ながら私だけ試験に合格することができなかったため、日本に来ることを選びました。来日したのは二月でしたから、とても寒かったし、食べ物や言葉、文化や習慣など、慣れないこともたくさんあり、当時はインドネシアの家族や友達と会えない寂しさを 抱えていました。でも、今は生活にも慣れました。早起きをすること、みんなできれいな環境をつくるために掃除をすること、大きな声で挨拶をすること、ごみを分別することなど、インドネシアではしていなかったことが、今では習慣になり、当たり前にできるようになりました。試験に受からなかった残念な気持ちを抱えたまま日本に来ましたが、仲のよい友達もたくさんできたし、今では日本で勉強したいこともできたので、前向きに研修に取り組んでいます。日本に送り出してくれた両親に感謝しています。

来日前、両親からは「日本人は時間をとても大切にする」「道路にゴミが落ちていなくてきれい」といった話を聞いていました。実際に来てみて、それは本当のことでしたし、想像していた以上でした。私たちインドネシア人も、時間を守ることの大切さは学校や家 庭で教わる機会はありますが、教える方も教わる方も、本当にそれを実行している人は多くありません。でも日本では小学生でも、五分前行動を学校で教わり、大人になってからも多くの人が実践しています。研修センターではいろいろな国から来ている研修生たちが、集団生活を送っていますから、毎日の農業実習の時間、行事などのためにみんなで外出する時の集合時間などに遅れないよう、お互いに声を掛け合って時間を守ることが習慣になっています。私もみんなも、国に帰ってからも、五分前行動を意識し続けられたらいいなぁと思います。

また、私たちは夏になると、農業研修の合間に近くの川に涼みに行きます。川にはゴミがなく、水もとても澄んでいてはじめは驚きました。川に行くと、冷たさだけではない気持ちよさを感じます。道路だけではなく、日本はどこでもきれいに保たれています。どんな人でも自分の家をきれいにしたいと考えると思いますが、それと同じように、道路や川など、自分の家ではないところも汚さないように、みんなが意識しているから、日本はきれいなのだということが分かりました。

もう一つ、日本に来る前に両親からアドバイスされたのは、「何か知りたいことがあったら、若い人よりも年配の人に相談するのがよい」という点でした。どうしてそのように言われたのか分かりませんでしたが、日本に来て気づいたことがあります。それは、日本人の若い人たちは、友達のように親しくなった人には親切だけど、知らない人にはそうでもないという点です。でも年配の方は、声をかけるととても親切に対応してくれることが多く、だから両親はあのようにアドバイスしてくれたのかなぁと思うようになりました。研修センターを支援してくださる会員さんも、手伝いに来てくれるボランティアさんも年配の方が多いので、若い人たちとももっと交流できたらいいなぁと思っています。

今、私が一番勉強したいと思っているのは、イチゴ栽培です。インドネシアにもイチゴはありますが、すっぱくて小さい上に高いです。もちろん日本のイチゴも高いのですが、甘くて大きいので、高くても買いたくなってしまいます。真っ赤なかわいいイチゴが大好きで、小物もついついイチゴの形や柄のものを選んでしまいます。甘くて大きなイチゴがインドネシアでも栽培できるように、日本にいる間に勉強する機会があればうれしいです。よい技術を身に付けて、高くてもみんなが喜んで買ってくれるようなおいしいイチゴ が作れるようになりたいです。